ピロリ菌の除菌療法
H .ピロリ菌と胃十二指腸潰瘍、胃癌。および、その除菌療法についてH .ピロリ菌と胃十二指腸潰瘍、胃癌。および、その除菌療法について
足立区 胃がんハイリスク検診及び胃精密検査実施 指定医療機関
- ピロリ菌は、日本人の約半数が保菌しており、若年者に少なく高齢者に多くみられます。乳幼児期に、口口感染(口うつしや鍋料理を共にする)、糞口感染(感染者の糞便より)により感染すると推定されています。
- 胃の丈夫な方の中にもピロリ菌が感染している隠れ感染者が多くいらっしゃいます。
- ピロリ菌感染者から同居の乳幼児に家族内感染を起こす危険性もあります。
ピロリ菌の顕微鏡写真
ピロリ菌の感染の有無は、尿または便検査にて約10~20分で簡単に知る事ができます。
(1)胃癌はピロリ菌によって起こされる感染症です。
ピロリ菌に感染すると胃粘膜が傷つけられ、胃十二指腸潰瘍をおこしたり、萎縮性胃炎さらに腸上皮化生の状態がつづくと、胃癌を発生しやすくなります。
(2)ピロリ菌感染者の10人に1人が胃癌になります。
ピロリ菌を除菌すると胃癌の発症率が、約1/3以下になるとする研究結果もあり、ピロリ菌の除菌が、胃癌への進行抑制効果をもつと推定されています。胃十二指腸潰瘍の再発を防ぎ、胃癌の発生リスクの軽減のため、ピロリ菌の除菌療法が推奨されます。
(3)胃癌はピロリ菌を除菌する事により予防が可能です。
現在、除菌薬を一週間服薬する事により約9割の方でピロリ菌を排除する事が可能で、一度除菌すると、再感染する事は、ほとんどありません。
ピロリ菌の除菌は、胃粘膜があまり荒らされてない早期に行なった方が効果が高いと考えられており、感染者はなるべく早めに(小学生以上であれば可能)除菌療法を行う事をお勧めします。
慢性胃炎のタイプ
ピロリ菌関連疾患
- 1,700例以上施行し、約98.4%の除菌率
- 耐性菌のため除菌が困難な方は第3除菌まで施行しています
- 最新の「ヨーグルト併用ピロリ菌除菌療法」を行なっています
LG21乳酸菌入りヨーグルト併用で、ピロリ菌除菌の成功率が向上すると東海大学医学部高木敦司教授が、米国消化器病学会で発表。
117人のピロリ菌陽性患者のうち、除菌療法を行うA群と、LG21乳酸菌の摂取を併用するB群に分けた。B群はLG21乳酸菌が入ったヨーグルト90グラムを1日2回、4週間にわたって摂取した。 はじめの3週間はヨーグルトだけ食べ、残りの1週間はヨーグルトと除菌療法の両方を行った。 結果は、A群の除菌成功率が77.8%、B群は89.3%で、特にクラリオスマイシン耐性ピロリ菌にも著効していた。
高木教授はB群の成功率が高かった理由について、「除菌前の3週間、LG21乳酸菌を摂取していたことで菌の量が減って、3剤療法の効果が出やすかったのではないか」と推測している。 当院でも、上記のヨーグルト併用ピロリ菌除菌療法を行なっています。
ピロリ菌のことをより詳しく知りたい方はこちらこちらをご覧ください。